2010年10月13日水曜日

県産イチゴ「まりひめ」 ブランド化目指し本格栽培

 イチゴで初の県独自品種「まりひめ」の本格的な栽培が、今季から始まった。県農業試験場(紀の川市)が2007年度に開発した品種。栽培面積は3ヘクタールで、試験栽培していた昨季の45アールの7倍近くに増えた。県果樹園芸課は「主力品種に育てて、それを核として県産イチゴのブランド化を推進したい」と話している。
 まりひめは、ブランド化できる県産のイチゴとして、試験場が02年度に開発に着手した。県内の約7割のイチゴ農家が栽培している主要品種「さちのか」と静岡県原産の「章姫(あきひめ)」の交配種で、約3千個体から選抜した。
 耐病性などの課題はあるものの、さちのかより収穫開始時期が2週間以上早いため、需要が高まるクリスマス前に本格的に出荷できると期待されている。果実が2割ほど大きいほか、粒がそろいやすいため、摘果作業も省力化されるという。味は、高い糖度と適度な酸味が特徴。
 郷土工芸品の紀州手まりのように親しまれるよう「まりひめ」と名付け、08年3月に農林水産省に品種登録を出願。県内のイチゴ農家に依頼し、試験栽培をしてきた。
 県は今季、120トン以上の収穫量を予想している。昨年12月ごろから出荷が始まり、青果市場を通じてスーパーマーケットを中心に県内の小売店で販売されているほか、一部は大阪方面にも送られている。県内産イチゴでは初めて、パックにかぶせるセロハンのデザインを統一した。
 田辺西牟婁地方では、5戸の農家が16アールで栽培している。栽培面積は県内で最も小さいが、昨季より7アール増えた。来季も増える見込みという。
 今季、栽培面積を昨季の2倍の約3アールに増やした山本富也さん(53)=上富田町生馬=は「柔らかい触感がケーキに合うという評判を聞く。クリスマス前に出荷できるのが大きな魅力なので、面積が増える可能性はある」と話している。
 県内のイチゴ栽培面積は57ヘクタールで全国33番目、出荷量は1240トンと26番目(いずれも07年度)。県はまりひめを県独自品種第1号としてPRし、イチゴの産地化を目指す。

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引用元:函館市歯科の総合情報サイト

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